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Sonicmaster MM-4600SD 4th

 

 ようやくリールについてお知らせすることが出来る。正式名称はSonicmaster MM-4600SD 4th。Sonicmasterとしては3年半ぶり、末尾にSDとつくナローモデルとしては実に4年半ぶりのリリース。本日より正式に予約開始となり、来週にはついに出荷の運び。

 

 とは言うものの、ただいま最終作業の真っ最中。現状はパーミングガード(ピックガード)とエンブレムを貼り終え、不具合のあったドラグハンドルを設計者で職人のHQくんに修正してもらい、同時にサムバーを取り付けたところ。五十鈴工業で組み上げられたドラグハンドルを一旦全て外して調整を終えると、HQくんは俺の淡い期待をよそに工具だけ残して当然のように去って行ってしまった。と言うことはこれを再度組み上げるのは俺の仕事ということ。その後、箱に詰めると作業は終わるのだけれど、残された仕事量に少々途方に暮れているのだ、俺は。やる他はないのだけれど。

 

 今回のSonicmaster MM-4600SD 4thの目玉は何と言っても二色のサンバーストだろうと思う。ギターを模したリール(?よくよく考えればなんて奇天烈なアイデアだろうか)としてここに行き着くのは必然で、もちろん俺だって当初からいつかはこれをやりたかったわけだから、「いよいよ?!」ということで注目が集まるのは望むところではある。出来上がったサンプルを見た時は、小躍りするほど興奮したし、これがフィールドで使われることを考えたらそりゃもうワクワクしてしまう。

 

 それはそうだ。それはそうだとは思うのだけれど、サンバースト以外のブロンドとレイク・ビワ・ブルーもやっぱり忘れないでいただきたい。ブロンドは以前にも何度かやったのだけれど、これはもう定番色と言ってもいいほどハマりカラーだと思っている。今回のは過去のそれとはちょっと色味が違っていて、実はうちのオリジナルグリップであるFishboneと全く同じ塗料で塗ってある。つまりはFishboneのブロンドと今回のSonicmasterのブロンドはそっくりそのまま同じ色だということ。ということは、これらを合わせると完全無欠の同色コーディネートが完成するわけで、世の中にグリップとリールの組み合わせは星の数ほどあれど、ここまで完璧に色味が合った組み合わせはそうそうないと思う。

 

(上段右が問題のストラト)

 

 余談だけれど、俺が三十数年前に最初に買った'81のストラトはこの色だった。このギターは未だに所有していているものの、今はオレンジがかった赤なのである。どうしてか?買ってしばらくしたある日、これを何かに強打して塗装が剥がれてしまった。塗装が剥がれてしまうことなんて露ほども気にしない俺だけれど、剥がれた下からのぞいていたカラーが問題だった。ブルメタ、シルバー、レッドと明らかに3色が見える。梅田の楽器屋で「このカラーは関西にこれ一本しかない」と言われて、清水の舞台から飛び降りる覚悟でローンを組んでようやく買ったギターなのに、要は何度も塗り直された個体だったと言うこと。当時これがあまりに腹立たしくて、勢い余ってサンドペーパーやカッターなんかを駆使して一番下のレッドが見えるまで剥がしてしまったのだった。

 

 あとでよくよく聞くと、フェンダーのカスタムショップというのはそういうことを時折するものなのだそう。そういう行為さえも珍重されるのがストラトキャスターというギターなのだ。そんなことならそのまま置いておけば良かったというのは後の祭り。

 

 さて、一方のレイク・ビワ・ブルー。以前、Sonicmaster MM-4600SDの1stでフォレスト・シャイニー・グリーンというのをやったのだけれど、これとは少し違う。もう少し絶妙に青みがかったグリーンで、これはまさにうちがルアーに塗るレイク・ビワ・ブルーと同じ。Sukiyaki 60Hのレイク・ビワ・ブルーと比べるとどうなんでしょう?という問い合わせがあったのだけれど、全く同じとはいかないものの、これの3rdが最も近い。

 

 ブロンドはそっくり同じなんて言っておいてこう言うのもなんなのだけれど、本家本元のフェンダーだって年代や場所なんかによって、あるいは経年変化によって、同じ名称でも色味が違うということは多々あって、これが味であり面白みでもあるわけで、そういうことを意識していないと言うと嘘になる。レイク・ビワ・ブルーに関しては実は確信犯的。それでも調色には俺自身も立ち会ったから、これは本当にいい色になった。

 

 そんなこんなの勝手な思い入れを、ちょっとしたロマンだなあ、なんて思ってくれるあなたに、このリールは捧げます。

 

 

Sonicmaster MM-4600SD 4th [Narrow Model]

Color : Tobacco Sunburst
           Cherry Sunburst
           Blonde
           Lake Biwa Blue
Weight 283g
Gear Ratio 5.1 : 1
Bearing 5 [NMB FINE DRIVE BEARING]
Line Capacity #5 - 80m
Price ¥60,000 + Tax

Product by Isuzu Kogyo Co.,ltd. & Other Superior Technicians

2017.4 Release

 エレキギターのエッセンスを大胆にプラスした、エキセントリックかつオールドスクールなソニックマスターのナローヴァージョン4th。今回のカラーはフェンダーのカスタムカラーを意識した、タバコサンバースト、チェリーサンバースト、ブロンド、レイクビワブルーの4色。

 タバコサンバーストにはべっ甲調の3プライ・パーミングガードとミントグリーンのVOLUMEノブを、チェリーサンバーストにはパールホワイトの3プライ・パーミングガードとアイボリーのVOLUMEノブを、ブロンドにはべっ甲調の3プライ・パーミングガードとアイボリーのVOLUMEノブを、レイクビワブルーにはパールホワイトの3プライ・パーミングガードとミントグリーンのVOLUMEノブを、それぞれコーディネートしました。

 ブランドコンセプト「Love Fishing, Music & Peace」を高らかに象徴する、いぶし銀のオリジナル・エンブレムはもちろん、波をモチーフにしたシンボリックでユニークなデザインのハンドルとドラグ、親指を置く位置を高めに保つサムバー等々のカスタムパーツはそのまま。

お断り:今回の塗装にはいくらか埃の混入が見られるものがあります。これについては非常にナーバスな問題であり、現状の設備ではこれが限界ということを承知の上であえて塗っております。また、塗装ですので衝撃により剥がれてしまうことがあります。ご了承下さい。

 

 

 こうして書く間、かかっていたのはセイント・ヴィンセント。とてもキュートでエキセントリックに見える彼女は、最近のアーティストにおいては最も才能があるのではないかと俺が思っている人だ。鬼才セイント・ヴィンセントことアニー・クラークが弾くのはストラトではなくてミュージックマンなのだけれど、ま、同じくレオ・フェンダーが起こしたブランドではある。

 

 彼女の場合、フェンダーではなくミュージックマンをチョイスするその辺りに、そもそもセンスが溢れてしまっている。個人的な意見を言わせていただくと、ミュージックマンを「弾ける」人というのは限られる。彼女はこれを自分のものに出来る選ばれた人に違いないと俺は思うのだ。

 

 Sonicmasterがリールにとってのそういう存在になればいいと、彼女の音楽を聴いていてふとそう思った。さて、作業だ。

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