11年

 

 この日になると毎年思い出すのは火事のこと。11年前の今日、うちの工房は火災に見舞われた。去年はあれから10年だったので、あの日焼け残ったルアーブランクに絵を描いて発売したりもしたが、一部はこの通り手元に残してある。

 

 特に思い入れがあって大切に保管しているというわけでもないのだけれど、だからと言ってやっぱり捨てることも出来ないでいる。これを見るというと、生々しくあの災厄が脳裏によみがえるし、あの後長く体に染み付いて離れなかった焦げ臭ささえ漂ってきそうだ。それでもやっぱり取っておくというのは一体どういう心理なのだろう。

 

 二度と起こしたくはない災難ではあるものの、あれがなければあるいは今の俺はなかっただろうし、今の津波ルアーズもなかったのかもしれない。今は亡き親父があの時言ったようにあれは試練であり、なおかつ一つの転機であったことは確かだから。その証もしくは小さなルアーメーカーの一里塚として、これほど相応しいものもないのかなあとこれらルアーを見ながらふと思う。

 

 そうそう、ちなみに奇しくも、Fishing Safariを企画したバンバの誕生日は今日、そしてそれに参加したRottonの弟の方=シゲの息子はまさにこの日に生まれた。不思議と言えば不思議。

 

 

 そんな津波ルアーズが相も変わらず未だに新しいルアーを生み出し続けていることは、ほとんど奇跡と言っていいのかもしれない。それに、牛歩の如くではあっても少しづつは進化(あるいは退化)を遂げているという実感もあって、これはちょっとした感慨ではある。

 

 これからどうなっていくかなんてまるでわからないけれど、そんなわけで、あの時にも忘れることのなかったささやかな希望だけは持ち続けていようと誓う、あれから11年の今日なのです。

 

 

 今日は届いたばかりのウェス・モンゴメリーの未発表音源をバックにこれを書いていたのだけれど、そうするとウェスの他の音源が聴きたくなって、選んだのはミルト・ジャクソンとの共演盤。これに限らないが、この時代の黒人音楽って、やっぱりエネルギーがみなぎっていて希望に溢れたものだと感じる。もちろんそれは時代背景の裏返しかもしれないが、それでもそれが未だに我々に活力を与えることは不思議だけれど本当のこと。

| - |
夏休み

 

 夏休みはいつものように徳島の実家で。

 

 1歳の息子の初めての水遊びは、どうも準備万端で臨んだ母親の方が夢中だったような気がしないでもないけれど、それでもいっちょまえに水着を着たり、帽子を被ったりしている我が子はやけに眩しかった。少し前に刈り上げたコボちゃんカットも悪くない。

 

 そんなこんなで、子育ては苦労もあるものの、嬉し楽しと実感している昨今だ。本当に苦労しているのは嫁の方で、こんなこと言うと、彼女に怒られそうだけれど・・・。

 

 

 愛犬10歳にしてようやく出来た友だちはサスケ。うちの弟一家のところに最近やって来た生まれて5ヶ月の雄のマメシバである。他人にも他の犬にも吠えまくるうちの愛犬をサスケに会わせるのは一苦労だったけれど、相手がまだまだ子犬であることも手伝って、最後は一緒に走り回るまでに。母性を発揮するどころか、最終的には完全に向こうの勢いに圧倒されてしまう始末だった。どうなることかと本気で心配したけれど、少し時間をかければ何とかなるもんですね。いやはやホッとした。

 

 ものおじしないサスケは、うちの息子にちょっかい出されてもほとんどひるまずマイペース。息子の仕打ちに辟易としている愛犬に比べてなんと寛容なことか。甘噛みをもろともせずに向かっていく息子も息子ではあるのだけれど。

 

 そんな微笑ましい光景がどうやら俺に活力を与えてくれるようで、ロッド&リールの原稿の修正で休暇中も連日夜中に仕事となったにもかかわらず、休み前に良くはなかった体調もどうにか戻ったよう。

 

 

 というわけで、例のメキシコ遠征を扱った、編集と俺の丁々発止のやり取りの末の渾身のその原稿は、ロッド&リールの8月末発売号にカラーで載ります。写真もほとんど俺です。これを見た上でさらにDVD「Beyond The Vamonos」を観るというと、より面白いかも。

 

 

 ところで今年デヴューのSweepy J DPはジワジワと本領を発揮しつつある。本当にこいつの威力を知る大坪くんなんかからは、早くも封印なんていう声も聞こえるほどだ。

 

 使い方が難しいといえば難しいこのプラグだから、一朝一夕にその威力が認知されるとは思っていないけれど、こうして少しづつ浸透していって欲しいもの。使いようが多彩であることでつかみにくくハードルは高いかもしれないけれど、その分面白みがあり、挑みがいもあり、しかも間違いなく釣れるルアーなので。

 

 

 BGMはそんなSweepy J DPにも通じる、いぶし銀のジミー・レイニー。スタン・ゲッツのバンドでのプレイがいかにも職人肌で卒がなく、しかも味があって印象的だった彼のリーダー作を聴いてみたくて手に入れたもの。聴けば聴くほど味わい深いはず。

 

 

 そうそう、津波カップの詳細をUPしました。参加ご希望の方はこちらをご覧あれ。

| - |
Tsunami Cup Vol.18

 

 

 去年は開催のなかったTsunami Cupが復活!開催まですでにひと月を切って急ぎ告知!ふるってご参加を。お問い合わせ、参加申し込みはワイルドフィッシュもしくは津波ルアーズまで。

 

 いつものごとく急なお知らせで大変申し訳ありませんが、開催が遂に決定しました。ただいま急いで素敵な参加賞の段取りを進めています。ケイタリングには津波ルアーズ馴染みのZINHO(ジーニョ)が酔った勢いで手を上げてくれました。関東からは友人のLESS is MOREもやってきます。久しぶりにRottonも参加のようです。一緒に楽しい一日を過ごしましょう。

| - |
共鳴するヴァイブレーション

 

 金曜日に釣りに出かけたら久しぶりに綺麗な夕焼けが拝めた。壮大なグラデーションに染まる空と水面の様相は見ていて飽きない。ルアーをキャストする手を止めて思わずシャッターを切る。いわゆるプライムタイムと夕日は別の時間だったらいいのに、と、いつもつくづく思うのだけれど、そうはイカの○玉なのだ。

 

 

 その日、カミオカがまたしてもNiva Rantで50upを射止める。やつはこのプラグで何匹目の50upなのだろう。一体どうなっているのかと訝るのはなにもあなただけではなく、俺も、そして本人だっておそらくそうだ。やつのアクションとこのチャートリュースのプラグと、それから50upの間には、互いに共鳴するヴァイブレーションのようなものが存在するに違いない。きっとそうだ。

 

 

 Rantマスターのカミオカだけではなく、リリースしたばかりのこのプラグのヴァイブズを肌で感じた猛者たちからの投稿が、このところドシドシ来ることは本当に嬉しい限り。何せ、このプラグに今のところの津波ルアーズのWスウィッシャーの一つの完成形をみたと思っているから、この結果には我が意を得たりという気分なのだ。ただし、まだまだこんなものではないとも思っているのだけれど。

 

 

 ところで、冒頭の画像。これは他でもない、次にリリースを控えるCatavento(カタヴェント)と名付けたプラグの最終サンプルをつい先日預けた、例のTMオカモトから昨日送られてきたものである。驚いたことにそのCataventoであろうことか早速も早速に50upを釣ったということ。文面や表情から彼もかなり興奮していると推測できたけれど、報告を受けたこの俺も少々どころか相当の興奮を覚えてしまった。

 

 Rantの活躍はある程度は予想出来た。今後も未知数の部分はあるにせよ、してやったりというところがある。ところがこのCataventoはかなりの部分で未知数だったから、もちろん面白いプラグだし、その分釣れるとも思っていたものの、俺自身がこれで50upを釣ったのに続いて、いきなりのこれは嬉しい誤算なのである。

 

 そんなわけで、津波ルアーズファンの皆さんはこの奇天烈なプラグのリリースを心して待っていただきたいもの。ただいま鋭意製作中。それにしても早くカラーリングを決めないと・・・。

| - |
Catavento ?

 

 それにしても暑い。それにイベントも終わって落ち着くはずなのになんだかんだと忙しい。夏バテかはたまたストレスか、今週の初めあたりは全身ダルくて困った。こうなると、どこかの田舎に引っ込んで仕事も人間関係もなるべく減らし、隠遁生活っていう選択肢も悪くないと思える、いつの間にか気がついたらもう8月の今日この頃。

 

 事務所で流れるソニー・ロリンズだって熱い。夏の暑い夜に似合う。「A Night In Tunisia」なんてタイトルだけで暑い。実際のところを調べてみたら、録音されたのは11月だそうで、俺の直感も大してあてにならないよう。秋に聴けば秋の夜長に似合うなんてことをおそらくは言ってしまうのだろうが、ま、このアルバムのソニー・ロリンズにはいつも心踊るし、それだけ滋味深いということ。

 

 

 少し前にはその夏バテをおして、先週に引き続きTMオカモトと琵琶湖へ。釣れたのは二人して1本だけだったのだけれど、その1本は一瞬体調不良を吹き飛ばしてくれた。最初の突っ込みがあんまり激しかったので、思わず「デカいっ」と言い放ってしまったものの、そこまでの苦労をすることもなくあえなくネットイン。それでも50cmを超える、たくましくきれいな魚だった。

 

 実は先週も50upを釣ったので、連続してランカー(?!)キャッチということにはなるが、雨がそれほど降っていないせいで琵琶湖南湖はアオコが酷く、水悪く、バイトが連発するような状況ではない。この日のバイトはこの魚とTMオカモトがNiva Rantで出した2発だけという有様だったし。

 

 

 そうそう、この魚を釣ったルアーは次にリリースが決まっているCatavento(カタベント)なのである。このルアー、回転の直径が10cmにもなるリアの大きなプロップとベリーに例のスピナーワイヤーシステムが特徴の変わり種。その上、全パーツを前後逆に取り付けて、反対側のアイにラインを結べば、フロントビッグスウィッシャーとしても使えてしまう設定にしてある。

 

 見て、使って、楽しいルアーだから、特に釣果をアピールするつもりもなかったのだけれど、これを最終テストしていると釣れたのがこの魚というわけだ。ちなみに釣れたのはフロントにプロップを取り付けたヴァージョンだった。その場合、少々頭を突っ込み気味にアクションするのだけれど、それが効いたのか、ウィードのポケットで二、三度首を振らせたら見事に吸い込んだ。

 

 

 ただし、このヴァージョンはあくまでスピンオフ的扱いで、本来のリア・プロップが見た目にはまるで近未来の乗り物的で気に入っているし、実際にも使いごたえがあるとは思っている。ま、しかし、その前後逆に使えることも含めて面白いには違いない。TMオカモトにも貸してみたところ、「これ、面白くて癖になりますね」となかなか気に入ったご様子であまりにそればかり使うので、そのまま次に会うまでプロトタイプを貸し出すことにしたほど。

 

 

 今のところ俺がカラーパターンになかなか取りかかれず、作業がほとんど中断してしまっているが、とにかくもうじきリリースとなります。お楽しみに。

 

 

 さて、Fishboneにはそこそこご予約をいただいたものの、不思議なもので去年のEVAヴァージョンをリリースした時のあの熱狂は何処へやら、在庫には少々余裕あり。こちらとしては少々肩透かしを食らったような気分ですが、未だ購入を検討中のみなさんには朗報です。いくらか在庫できるのがメーカーとしては正常な状態ではあると思っているし。

 

 それに比べてSomething Nice Dry Bagはあれよあれよというまに残りわずかとなりました。

 

 

 Fishing Safari関連グッズ(TシャツLIMSとのコラボTシャツステッカー)の予約もすでに締め切りましたが、少しだけ在庫があります。ご購入は当オンラインストアにて。

 

| - |