ビリー・ホリディが流れる夕刻に

 

 事務所に流れるのはビリー・ホリディ。淀川のゴミ拾いに参加した日の夕刻、なんだか久しぶりにゆっくりと時間が流れているような気がする。このところ本当にバタバタと忙しかったから。昨夜遅くまでかかって、26日からのメキシコ遠征までにコーティングを上げるギリギリのタイミングで次のルアーのカラーサンプルをようやくあげたら、なんとか一息ついた。まだまだそれまでにやることはあるのだけれど、あとは野となれ山となれで開き直る他はない。

 

 それにしても彼女の声のなんと優しいことか。ビリー・ホリディが流れる夕刻は特別素敵なものとして今ここにある。亡くなって何十年と経っても、未だその声に癒される人々が、遠く極東の島国にもいると彼女が知ったらどう思うだろう。

 

 

 ちなみに次のルアーは少し前にお知らせした通りNivaである。前にリリースしたNivaはペンシルベイトだったのだけれど、今回は同じボディでWスウィッシャーもリリースの予定。前のNivaはとても気持ちの良い、角度のあるスケートが売りであったものの、これには実は多少のバラつきがあったことは事実。それはウッドの特性上仕方のないことで、それこそが面白みではあるとは言うものの、リリース後にはもう少しバラつきを抑えたいと常々思っていた。今回はブランクの状態で重い個体をWスウィッシャーに、特別軽い個体を厳選してペンシルにすることにした。これによって相当バラつきが抑えられ、さらには気持ちの良いスケートが得られる結果になったと思う。Wスウィッシャーの方は少々重い方が今回のコンセプトには叶うから一挙両得というわけだ。

 

 

 さて、5月ともなれば釣果の報告が後を絶たず。印象に残るのはビーバーとBKJ。リリースしたばかりだから報告も多いということはあるのだけれど、やはりこれらのプラグにはマジックがあると思わざるを得ないところがある。十数年振りにリリースのBKJは殊にそのミラクルな効用を再確認するということになった。マニア谷口の56cmなんて本当に見事。

 

(Liberal Anglersから写真を拝借)

 

 このプラグのターンが実に強力で、しかも時に絶大な効果があるということは、あまり知られていない事実。それにこれに躍り出る魚のなんと凄まじいことか。猛り狂うという表現はそれほど間違っていないと思う。一度体験していただきたいもの。

 

 

 コバーンからは貸し出したSweepy J DPのプロトタイプでの釣果。魚がスローでショートバイトに苦労する中、こいつにはひったくりのバイトがあったのだとか。しかも3本も。そう、これがハマるシチュエーションというのが必ずあるのです。発売はメキシコ遠征後、来月上旬から中旬予定です。

 

(Sweepy J DPの画像はこちら)

 

 そうそう、もう一つ触れておかなければならないのは例のドキドキして待ったマーク・リボとデヴィッド・イダルゴのデュオのこと。その筋の人しかいないんじゃないの?という異様な雰囲気の中、まことにゆるくはじまった彼らのライブは、みるみるうちに決して多くはないオーディエンスを引き込んで、実に親密な空気の中トントンと進んで、あっというまに終わりを迎えた。本当に名残惜しくて、アンコールのWhat's Going Onでついに俺は泣きそうになった。

 

 なんでしょうか、俺たちがキャンプでよくやるダラダラとしたセッションをライブハウスに持ってきたようなそんな雰囲気がなくもなかった。それが彼らの場合は例えばミュージシャンやアーティストをも感じ入らせるステージにある。ブルース、R&B、ソウル、ラテン、ロック、ジャズ、マリアッチ・・・その懐のなんとまあ深いこと。

 

 「こんな人たちがいんねや・・・」(「こんな素敵な人たちがいるのですね」という意味の関西弁)とさえちゃん。本当に評価されるべき人はこういうところでひっそりと演っているもんなのだと改めて思った夜。

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Surface Cowboy & Surface Trip

 

 シンタロウより便りあり。うちによく投稿してくれる野口くんと言う人と一緒に西表島に遠征している様子で、今年彼の地に行けるかどうかわからない俺にとって、羨ましくも、正直なところ嫉ましくもある知らせ。

 

 同行の写真の野口くんはうちのルアーで結構釣ったみたいで、とても楽しそうだ。ガイドのヨーイチに言わせると「おかしい」のだそう。つまりはうちのルアーでこんなに釣れるなんて不思議だと言うこと。時にガイドの言うことはあてにならない、と言うのは俺が長い間に導き出した一つのセオリーではある。使うのか、使わないのか、そこが大事ってことね。

 

 

 シンタロウ自身の写真がないところをみると、うちのルアーではどうやら釣っていないということのよう。使うのか、使わないのか、そこが大事ってことよ、シンタロウくん。

 

 

 昨日は堺のカフェIROHAにてGo-Phish武田主催のSurface Cowboyへ。いつもとは少し違う層のお客さんが新鮮で、俺自身も勉強させていただいたのでした。

 

 そのことは薄々推測できたので、販売に関してはウッドのルアーより、プラスチック、それもアウトレットを中心に持ち込んだところ、初めてうちのルアーを買うと言う人もいたりして、それはそれでよかったなあと思っているところ。こういうマニアックな世界では新しいお客さんを掴むってことはなかなか難しいわけだから。

 

 ところで、上の写真の俺の背後奥には仁徳天皇陵があって、その手前にはお堀、そしてその手前には遊歩道があるのだけれど、その遊歩道に植えられた松の枝をふと見ると、なんとそこには猫が。人間を小馬鹿にしてくつろいでいるようなその姿がなんとも愛らしく、思わず買ったばかりの一眼レフ=EOS 80Dでパチり。

 

 

 明日はそのEOS 80Dを持ってリザーバーへ久しぶりの動画撮影に赴くつもり。これを今月末に迫ったメキシコ遠征にも持ち込んで動画撮影したいので、そのテストも兼ねて。と言うのも、雰囲気のある一眼レフ特有の映像をフィーチャーした作品を作りたいのは前々からの俺の望みだったから。

 

 トップウォーターの撮影っていうのは特殊で、アングラー自身はもちろんのこと、それよりある種大事なことは投げたルアーをズームで追わなければならないと言うこと。それにはズームインするテクニックと、フォーカスの早さが求められる。これまで一眼レフの動画機能はこれが追いついておらず、PVならまだしも、実釣には不向きだった。80Dはその辺りが改善されて、動画にかなり特化した一眼レフなので、今度こそはと思っているのだけれど、何しろそれが実際の撮影に耐えうるのかどうかが一番の問題。なんとかしたいのは山々ではあるものの、それを判断するのは撮影するMakie TV = こっすんではある。

 

 そしてそして、朝一からのその撮影を午後のいい時間で切り上げたら、夜はクアトロにていよいよ例のマーク・リボとデヴィッド・イダルゴのデュオを目撃することになる。

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Camp &

 

 なんてことだろう、マーク・リボとデヴィッド・イダルゴのデュオ・ライブがあるのだそう。それも来週。本当に今日の今日まで知らなかった俺は、知人からの突然の知らせを受け、動揺を隠せないのである。

 

 マーク・リボと言えば、知る人ぞ知る俺の大好きなギタリストの一人。かたやデヴィッド・イダルゴはこれまた俺が大好きなバンド=ロス・ロボスの中心人物である。この二人のデュオなんて想像もしなかった。異色も異色か、それともいずれ交わることは必然か。とにかく何が起こるか見ものであることには違いない。これがあると知ってしまっては、たとえメキシコ遠征も十日後に迫るこの忙しい最中であったとしても、行かねばならない。そうしないときっと後悔するから。いやはや困ったもんだ。

 

 

 さて、先日のキャンプはメンバーに一人欠員はあったものの、いつものようにリラックスした楽しい時間を過ごせて満足。前回から加わった最も若いメンバーもそれほど駄々をこねることなく、まずまずのご満悦でした。この若いメンバーのためにテントではなく、キャビンをチョイスしてくれた皆にも感謝するのです。うちの家族にはよく吠える犬なんかも一匹いるので、皆にはお世話のかけどおしではあるね。

 

 それにしても、淡路島のFBIというキャンプサイトは、この頃はかなりの人気のようで、平日にもかかわらずキャビンがほぼ満室なのには少々驚いた。隣のキャビンではどこかの美容院あたりの合宿か、見ている限り、終始ほとんどシリアスなミーティングをしていたりして、こっちは少々恐縮したり。

 

 

 キャンプから帰るとまたも多忙モードに突入。そろそろ納品される予定のSweepy J DPに備えて、バックヤードを整理してスペースを空け、ついでに事務所の表側も前々からの計画通りに模様替えを。随分スッキリしたけれど、Sweepy J DPが入って来ると、これがまたドタバタすること必至ではある。

 

 そのSweepy J DPは模様替えの最中に実は一報が入り、予定の今月中旬の入荷は断念せざるを得ないとのこと。メキシコ遠征前に出荷という俺の淡い目論見はもろくも崩れ去る。今月末に出荷とのことだから、必然的にメキシコ遠征後のリリースとなる。楽しみにしていてくれる皆様、どうかもう少々お待ちを。

 

 その模様替えした事務所では今週末のSurface Cowboyに備え、準備も佳境である。日曜日は堺のカフェIROHAへぜひいらっしゃいませ。

 

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Something Nice ?

 

 今年のTシャツのデザインを上げる。器用にホイホイやってしまえるタイプでは決してないので時間がかかってしまうのはしょうがないとは言え、それでももう少しさっさとスマートにできないものかと思う。ま、そう思うのもいつものことだし、それはTシャツに限ったことでもないのだけれど・・・。ともかくこうして出来上がったデザインはなかなかの出来栄えで、例年と比較しても出色ではないかと思っているところ。ま、しかし、それも例年か。

 

 探しているものはSomething Nice。それこそはセンスというもの。このグラフィックにしたってあらゆる機会に心に留まったイラストなり、モノなり、思考なりを頭の中でリビルドしてあるいは模倣してメモ用紙に俺自身が描き溜め、それをかき集めてMacに取り込んでレイアウトしてある。

 

 

 例えばSonicmasterだって、まさにSomething Niceを津波ルアーズ的にリビルドしたもの。とは言うものの、それは津波ルアーズでしか成立しなかったものだと思っている。他が同じことをやったにしても同じものにはならないだろうから。

 

 先日リリースのそのSonicmasterはメーカー在庫は完売で、お店でもおそらくは品薄あるいはSoldのところがほとんどとの噂。それでも探しているという人に朗報。大阪は梅田のルアーショップ1BANにはTSB以外の在庫があるそうなので、お探しのあなたはぜひ問い合わせてみてちょうだい。

 

 このルアーショップ1BANというお店、ルアー全般のいわゆる量販店で、小さなトップウォーター専門店、あるいはトップウォーターに力を注ぐプロショップというのとは違い、うちのディーラーにおいては少々珍しいタイプ。量販店だけにその豊富過ぎる在庫は驚異的で、トップウォーター関係の在庫にしてもそのへんの専門店は足元にも及ばないほど。うちの在庫もSonicmasterに限らず日本有数なのだ。それもこれも店長池田氏のマニアックな趣味が高じたおかげなので、量販店にありがちな知識の不足なんてことはあり得ず、大抵のことは彼に聞けば解決してしまうはず。というわけで量販店にはまずないマニアックな品揃えの、トップウォーター的には穴場的ルアーショップ1BANに一度足を運んでみて欲しい。

 

 

 

 さて、イベントの告知。前にも一度お知らせしたけれど、Go-Phish武田が企画するちょいと変わった趣向のイベントSurface Cowboyである。彼は海の人として周知されているとは思うけれど、実はトップウォーターにも造詣が深く、気づけば付き合いも長く、そんなわけでこういうことになった次第。うちのブースでは現行及びプロトのルアーやタックルの展示をメインに、在庫のルアーやロッド、デル・プラスチコのアウトレットなんかの販売もあり。もちろんお答えできる質問にも全力でお答え致します。Something Niceなイベントにぜひいらっしゃいませ。

 

 

 ところで私的GWはというと、うちの場合は不定休なので暦通りに休むわけではないのだけれど、それでも遠方の兄弟なんかが実家に帰るというとそれに合わせて休むこともある。一般の人たちとそうでない人たちの過ごし方の間を行ったり来たりというわけだ。というわけで、うちの息子はと言うと、4ヶ月遅れて生まれたいとこに、あるいは11年先に生まれたいとこに遭遇したり。

 

 

 とんでもない見たこともない渋滞の先の徳島の実家で、久しぶりに会う11年先に生まれたいとこの方は、なんとスペイン帰り。彼の地にサッカー短期留学してきたのである。そのせいか少しだけ大人びた、俺にとってのその甥っ子から、俺の記憶に間違いがなければ初めての、お土産なるものを手渡されていい大人の方が少々戸惑う。やつからものをもらうことになるなんてちょっと前までは思いもしなかった。大したものではないのだけれど、これもまたSomething Niceではある。大事にすると言うよりは、身につけていたいと思っている。なんとなく。

 

 

 そんなこんなのGW中、なぜかよくかかったのがジョアン・ジルベルト。俺の車の中ならまだしも、うちの弟のVWのステレオからも流れてくるものだから余計に印象深かった。ボサノバって言うのは当然ながらブラジル生まれの音楽で、世界的に認知されたポピュラーなこのワールドミュージックではあるのだけれど、海を渡ったそれとオリジナルとはやはりひと味もふた味も違うのだと言うことを、ジョアンを聴くたび思う。珠玉とはこういう音楽のこと。

 

 

 そうこう書くうち、デンさんからの報告。マニア谷口に続きBKJで二番乗りだ。画像の奥の眼差しが妙に頼もしい。決して短いとは言えない年月の後、このプラグでまたも報告をもらうということにはちょっとした感慨を覚えてしまう俺である。

 

 

 さて、明日は親しくしている連中とうちの家族のキャンプ。明日はGWも開けているわけで一般的な休みではないのだけれど、一般的には休まない、あるいは休めない、考えてみれば奇しくもそういう連中が集うということになる。行き先は淡路島。つい数日前の恐ろしいほどの渋滞はまずないと思うし、このところの忙しさとその後予想される忙しさを少し忘れて、Something Niceな休日に浸りたいと思っている。

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Beat King JとSlapphappy Beaver

 

 不意を突かれて不覚にも少々驚いた。Beat King Jリリースのその日の夜のマニア谷口からの報告。彼にとってはおそらく十数年前からのほとんどルーチンワークと言ってもよいこの一番乗りの報告なのに、それでも未だにちょいちょい「マジか?!」って思う。今回も誰あろう作った本人にとってさえもインパクト十分だった。だって、やっぱり早過ぎるから。

 

 

 十数年前にリリースした前のヴァージョンのBKJと魚を両の手に持って、誇らしげに笑みを浮かべる数日前の太田隊長と、マニア谷口の名コンビでリリースの前後にナイスなタイミングの投稿をいただくのは、それでも久しぶりではなかったか。

 

 彼らがこのプラグに奇しくも思い入れを抱くのは何も偶然ではなくて、これが津波ルアーズを象徴するプラグの一つであるからに他ならない。さらに誤解を恐れず言ってしまうなら、トップウォーターの何たるかを体現するプラグの一つでもあると思っている。だからこそ、このシリーズでトップウォーターにのめり込んで、今じゃ釣具屋の店主なんていうpesca depot真太朗のような人もいるわけだ。

 

 

 そのネオ・ビーツ・シリーズに今や肉薄する存在が津波ルアーズの誇るスラップハッピー・シリーズ。案の定、これまた前回リリースしたばかりのSlapphappy Beaverによる釣果が増えつつある。近年この釣りを始めたとある御大に至っては、発売わずか二ヶ月で定番&封印なのだとか。

 

 

 津波ルアーズを語る上で、少なくともこの二つのシリーズを制覇しないことには始まらない、というのはもっぱらの噂。ね、オヤジさん。

 

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