玉越さんと

 

 荒野をどこまでも貫く1本の道を想起させる、そんなトミー・ゲレロの気だるいサウンドが、昨日の不思議な熱気が残滓のように漂ううちの事務所に妙によくマッチする。

 

 オリジナルの映像を作る時、いつも俺の頭の中で引き合いに出されるのがハトリーズのあの映像シリーズ。意外に思う人もいるだろうけれど、俺のトップウォーターの原点はあそこにあると言っていいのかもしれないと、この頃特に思う。釣りのスタイルだとか、全体に醸し出される雰囲気だとか、あれが一つの出発点ではある。

 

 

 ただ、オリジナリティは永遠のテーマで、個性を加味していかないことには立ちいかないのがクリエイティビティではある。あくまでも自分なりに先達を分析し、解釈し、あれこれと手を替え品を替えアレンジしつつ突っ走って来た結果が今の津波ルアーズだと言っていい。微に入り細に入り詳細に吟味しないのが俺の性分だから、それが良くも悪くも見る人が見れば先達とは似ても似つかない今のスタイルを形作ったのかもしれない。だから今になってみると、例えば玉越さんと俺のスタイルは随分違って見える。それでも大局から見れば同じくトップウォーターであり、ルアーフィッシングであり、釣りではあるのだけれど。

 

 

 昨日は来月メキシコへ赴くツアーメンバーがうちの事務所に集ってミーティング。久しぶりに参加するアカシブランド明石、まさかの参加のRottonの弟の方=Liberal Anglersシゲ、おなじみ撮影担当のMakie TVこっすん、そして件の御大スミスの玉越さんである。総勢5人中4人が関西在住なので、玉越さんにはわざわざこちらにお越しいただいたということになる。

 

 内容は映像を制作するにあたっての諸々ではあっても、話は自然と釣りについて、トップウォーターについてのあれこれに至るのは自明の理であるので、その様子もMakie TVにきっちり撮ってもらった。いずれ編集して公開の予定ではあるけれど、さわりを少しだけ。

 

 玉越さんがメキシコに興味を持ち始めたのはいつなのか?いつの頃からか、会うたびに御大が持ち出すのは「今年のメキシコはどうだった?」との話題。きっかけとなったのは、俺自身も実はもう覚えていないのだけれど、どうやら俺がDVDを差し上げたことで、これにちょっとしたショックを覚えられたのだそう。そのDVDが2009年の「Mexico Tour」とのことだから、これはもう8年も9年も前の話。それから我々のメキシコ関連の映像をほとんど買って見ていただいたということ。インスパイアされたその人を、今度はこっちがインスパイしてしまうという以上の光栄ってないのである。

 

 紆余曲折あって、氏がメキシコ行きにいよいよ本気になり始めたのは、去年のフィッシングサファリという渋谷ハンズでのイベントにトークショーのゲストとしてご出演していただいた、あの辺りではないかと推測する。あの時すでに、いつもの俺とのメキシコについての会話が俄然熱気を帯びていて、氏の口から「行く」という言葉が飛び出すのは時間の問題ではないかと思えた。いやいやそもそもその気はもっと前からあったのだけれど、機は熟したと言うべきか。

 

 

 

 そうしてそれを具体的に打診したのが昨秋11月くらいだった。もちろんその気があると思うから打診するわけで、予想はしていたとはいうものの「YES」の返信を見た時には小躍りするくらい興奮した。興奮しないわけがない。しかも、ここだけの話、玉越さんの渡航費は自腹なのだそう。そこにはなみなみならぬ熱意と決意があった。

 

 それまでは行くつもりでなかった明石が、玉越さんの「これが最初で最後かも」の誘いに乗ってやがてこれに呼応する。メキシコに関して、俺以上に思い入れのあるやつにすれば、その瞬間に立ち会いたいのは山々だろう。

 

 そもそも玉越さんが行くなら、それを何としても映像に収めたかった俺には渡りに船の申し出ではあった。当たり前だけれど、DVDにはそれなりの経費がかかる。こうなったらそれを俺が何とかしようと思ってもいたのだけれど、それに関しても援助を申し出てくれたのは誰あろう玉越さんで、さらにはこれに明石が加わると言うことになった。

 

 断っておくと、DVDってここ最近売れないと言うのはまぎれもない事実で、津波ルアーズ程度のレベルで言うと、制作の経費が売上でペイ出来ればそれは実は御の字である。ましてや海外となると当然ながら経費はかさむわけで、それぞれの渡航費までは賄えないのが普通。たとえ玉越さんほどの御大であってもリスクがないとは決して言えないのである。それでもそのリスクの一端を玉越さんは個人で担うことを申し出ていただいたと言うことになる。

 

 

 そんな二人に加えて大トリで参加を表明したのはシゲ。その席は本当は他の人(ここだけの話、それはT字路sのしのちゃんですが)のものだったのだけれど、その人はどうしてもスケジュールの都合がつかず、そんな時、俺が何の気なしに声をかけてみたのがやつだった。しばらくの期間を置いてやつの口から発せられた答えはこれまた「YES」。これはちょっとした驚きだった。

 

 昨日初めて聞いたのは、日本の釣りこそが面白いと言う持論の持ち主で海外に行くことさえ初体験のシゲが、渡航を決意するに至ったその理由。それがどうやら俺の言葉であるという事実は、嬉しい告白だった。DVD「Beyond The Vamonos」の中で俺は、ブラックバスを釣らせるためだけにメキシコの辺境に建っているロッジに関して、そしてはるか日本からそこに行くために何十万という大枚をはたくことに関して、それがいかにバカバカしく、しかし素晴らしいかというようなことを拙い日本語で伝えようとしているのだけれど、それがやつの背中を押したということ。そういうのが実際伝わるというのは嬉しいものだ。それを伝えたいがためのDVDなのだから。

 

 長くなった。今日のところはこのくらいで。この話題に関しては、いざ出発までにも、帰って来てからも折に触れ、ということになる。

 

 さて、そのメキシコにもきっと持って行くであろうブランニュープラグのご紹介。Y・Styleの別注Sweepy SCがそれ。うちのSweepy DBY・Styleオリジナル可動式スカーフ(エリマキ)を搭載したコラボレーションモデルです。

 

 以下にY・Styleの解説を。

 

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ターン時にリベットとエリマキがヒットすることでノック音を発するワンターンワンノッカー。

 

 エリマキとボディの隙間が広い扁平ボディーを持つスウィーピーは、空気をはらんだ音がより強調されたバブル音を発します。と同時に、リベットのノック音とテールフィンの金属音がミックスされ、軽快で急角度の切れ込みはそのままに、フィンによるほうきで掃くようなスウィープ・スライド・ターンにバスを惹きつけるサウンドがプラスされました。

 

 また、オリジナル可動式エリマキは横長の楕円形になっており、ターン時にはしっかりと水を噛み、すぐに逃がします。これによって、従来のエリマキルアーにあるエリマキの抵抗感が殆どなく、操作感はターン系ペンシルベイトを扱っているような感覚。

 


急角度に傾いたエリマキのキール効果で軽くコンパクトにターンするのが特徴。ナイロンラインの遠投等でルアーがかなり遠い位置にあっても、軽い入力で簡単にターンします。

 

 また、可動式とはいえエリマキプラグ特有のスナッグレス性能も備わっており、チップ、ゴミの多いポイントでは非常に使い心地が良く重宝するセミスナッグレスプラグ。

 

 カラーは20thシリーズ「ブラックバスありがとう!!」

 


Black Bass [BB] (Black Scarf)

 


Peacock Bass [PB] (Gold Scarf)

 

 Y・Style(anglers_room_y_style)のインスタにはちょっとした動画もあるのでご覧あれ。

 

 ノーマルのSweepy DBに追加で穴を開けたりといううちの作業はなかなか大変だったのだけれど、それにも増してスカーフとリベットを取り付けるY・Styleの作業が大変だったらしく、これに関しての野村店長からの電話は、いつもの長い電話に輪をかけて長いものでした。そんな両者の侃侃諤諤のせめぎあいの成果をどうか。

 

 ちなみにリベットに目をハンドドロウイングで描いたのも野村店長のお仕事。おかげで一気に生命感が増した。

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アナログで行こう

(バシケン 金グリ・コレクション)

 

 CD買うのやめた。今時、聴くだけならApple Musicでダウンロードしてしまえばいい。その代わりに、と言ってはなんだけれど、どうしても欲しい音源に関してはアナログを買うのである。三十数年ぶりにレコードのコレクションを再開するのだ。と、このあいだ、ジーニョでDJまがいのことをさせてもらった際に決意する。あれが結構楽しかったし、前々からそういうことにちょっとした憧れがないではなかったから。そうして俺はやがてDJになるのだ。男とはこうも単純なもの。

 

 

 そんな男たち(女でも全く差し支えはないのだけれど)から俺の元へ今日も今日とて写真が送られて来る。ありがたいこと。考えてみれば、釣りなんてアナクロ中のアナログではないか。目視出来る眼前の奇跡のストライク、木の塊を介しタックルを通して手元に伝わるブルブルした生命感は、まさにその証拠である。そうだ、アナログで行こう。

 

 

 

 冒頭の画像はHEADZのお客さんバシケンの金グリ・コレクション。釣りの帰りにお店に寄った際に、あまりの見事なコレクションに店主が思わずパチリということのよう。いやはや、俺はとてもとても勇気づけられる。それにしてもこんなプラグたちに魚が躍り出る快感といったら。

 

 

 それに相次ぐBIMBEの釣果。エディ・プロップの報告がひと段落したと思ったら、今度はラント・プロップ・ヴァージョン。どうやらこれも概ね好評で、そしてどうやらこんな不思議な代物で魚って釣れるみたい。

 

 

 俺の場合はというと、昨日ようやく初釣りに赴く。天気が良かったし、この際、ボウズのことは置いておくことにする。次のプラグ他の良いテストも出来たことだし。

 

 

(チャーリーはCosmo DB Minnowing Modelで)

 

 とにかく春ですね。

 

 

 今日はThe B-52'sを聴く。ひょんなことからこのアルバムがデヴィッド・バーンのプロデュースであることを知ったから。先入観がいくらかあるのは否めないにしても、これはなんだかとってもデヴィッド・バーンなサウンドである。アーティストであるからプロデュースされる方もする方も個性きついのは当然で、時にはそれが喧嘩することだってあるはずだけれど、こいつはうまくいった好例だろうか。これもアナログ買うかな。

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1, 2, 3 !

 

 春だ。ブランニューBIMBEの釣果は三番手+αまでが既に出揃った。とは言え、決して優しいシーズンだとは言い難いので彼らにはお見事と言いたい。それにBIMBEにも。

 

 

 彼らが口をそろえて言うのは、このプラグの従来の子気味良いアクションに加えて音の良さ。水切り音にともなって金属同士によって発せられる、シャリシャリ&コキコキしたノイズとでも言うべきサウンドはかなりユニークだと思っている。これって、エディ・プロップの方により顕著で、さらにはターンもより鋭く、それがこっちのプロップをデフォルトで装着した理由なのだ。

 

 そうは言っても、ラント・プロップのサウンドもアクションもそれはそれで捨て難く、そんなわけで今回は両方ともに試していただけるようこっちも同梱してある。買っていただいた人にはぜひ両方試してみていただきたい。

 

 

 ところで、マニア谷口と一番上の画像の真太朗は、かつては一番乗りを競っていた時期があって、今回はそれを彷彿とさせた。実は当人同士もどうやらそれを意識していたようで、彼ら曰く、あれからもう15年ほどが経ったのだそう。マニア谷口がユーザーで、そして俺がメーカーであると言う立場は相変わらずなのだけれど、十代のアングラーだった真太朗は今や自分自身でショップを構えるオーナーである。

 

 

 BIMBEってその頃からあるプラグだから、彼らにもそれぞれの感慨めいたものがあって、それが余計に彼らをそういう気分にさせたのかもしれない。もちろん俺にもちょっとした感慨がなくはない。

 

 ちなみに三枚目の画像のデンさんもうちのファンとしては今や古株と言っていいのかも。ちなみにちなみに二枚目で三番乗りのグランデ部長がファンとしても比較的新しく、一番若いのかな。見てくれはそうでもないけれど。

 

 

 本日、事務所で一番にかかったのはオーティスだった。朝から(俺が事務所に出るのはいつもほとんど昼近くなんですが)聴くには少々濃い目ではあるけれど、それだけにまるで目覚めのカフェインみたいに刺激とはなったみたい。

 

 昨夜俺は久しぶりに金縛りにあった。(確信があるけれど、決して霊的なものではなくて、おそらく原因は疲れ。考えてみたら、仕事もそうだけれど、一昨日のフットサルが効いているのではと言うことに思い至る)昔々、うちの実家の便所(トイレではなく、あくまで便所と言ったほうがしっくりする)は、外の廊下を通って暗い裏手に回ったところにあって、しかももちろんぽっとんだったからして、子どもが一人で用を足しに行くにはいちいちちょっとした肝試しだった。どういうわけか夕べの俺は(もちろん夢の中ということではあるけれど)その便所に用を足しに赴いて、そしてなんだか恐ろしい目に遭ってしまったのでした。

 

 そのせいもあってどうにもしゃっきりしなかった頭が、オーティスのおかげでいくらかは覚醒したのではないかと。そうして外の陽気に意識を向ければ、今さらながら今日はなんという良い天気。

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BIMBE一番乗り!

 

 見よ、この誇らしげな表情を。二日連続で彼の画像を載せることになろうとは思いもしなかった。BIMBE一番乗りはまたしてもこの男である。なんてったって出荷のその次の日の発売日に一番乗りなんだから。まさかのまさか。俺としたことがマニア谷口を見くびってしまっていたようだ。

 

 ブラックバスとともに高く掲げられたのはWood PanelのブランニューBIMBE。ガクンと気温が落ちて、しかも風の強い春先だと言うのに、この釣果は立派と言うほかはない。アングラーの技量はもちろん、このプラグの効力も褒められてしかるべきだろう。

 

 

 それにしてもこれでもういったい何回連続の一番乗りだろう。そう言えば、先日はバースデーフィッシュをBIMBEの旧バージョンでいただいたし、思えば正月にはお年玉フィッシュを、クリスマスにもプレゼントフィッシュをもらったっけ。ちょっと前には少し休んでいた期間があったりして、ちょっと心配したりもしたが、何をか言わんや、ここにきてますます血気盛んなマニア谷口である。

 

 

 そのマニア谷口からメールをもらったのは帰宅してからだったのだけれど、花冷えの夕刻に事務所で鳴ったのがこのミルト・ジャクソン。ストンと空気を一気に落ち着かせ、リラックスした気分にさせる、そう言う効力を持つレイドバックしたジャズである。こうして一日を終えたそんな気分のその先にあった彼からの報告だったから、余計にエキサイトしてしまったと言うこともあるのだろうか。いやはや・・・。

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BIMBE

(マニア谷口から先日の俺の誕生日に送られてきたバースデイフィッシュは、旧ヴァージョンのBIMBEによるもの)

 

 恥ずかしながら、津波ルアーズも今年でだいたい20年を迎えるわけで、歴史というと言い過ぎだけれど、曲がりなりにも軌跡のようなものはなくもない。BIMBEの過去の釣果を載せようと思って画像を探していたら、図らずもユーザーと歩んだ足跡を感じずにはいられなかった。遅々とではあるものの、立ち止まらずに変化し続けた津波ルアーズだったと自負している。ずっとオルタナティブでありたいと、55歳を迎えた今も思うのです。

 

 

 さてと、そのBIMBEは本日出荷を終えた。うちのファンを気取るならば、当然持っていていただきたいルアーの一つがこのBIMBEである。もちろんBIMBEもまた少しだけ進化を遂げているから、旧ヴァージョンを愛用のあなたもこれを手に入れて損はない。是非ともお一つどうぞ。

 

 

 それにしても載せた画像にちょっとした偏りがあることは否めない。マニア谷口と稀代の BIMBEコレクター太田隊長がどうやら多いのはこれはもう致し方なしか。下の画像は最近マニア谷口から送られてきた秘蔵のコレクション。そんな彼の今回のチョイスはWood Panelでした。

 

 ご存知の方はご存知のようにこのWPは昨秋のSweephonic Cigarに次いで登場することになった。WPはこの二つのプラグ、つまりはSweephonic Cigarの前身のSonic CigarとこのBIMBEが最も似合うと個人的には思う。そのせいかどうか、今回はこのカラーパターンが一番人気だ。

 

 

 ちなみにもちろん太田隊長のBIMBEコレクションがこれまで見た中では最もすご(ひど)かった。うちの場合は12年前の火事で大方のサンプルを失ったから、やつのコレクションはうちにとっても貴重といえば貴重なのである。

 

 

 今日の事務所で奇しくもMacがチョイスしたのはトーキングヘッズのこのアルバム。このアルバムに収録の「Road To Nowhere」という曲が大好きである。これを聴くとなんだか勇気づけられるから。

 

僕らはどことも知れぬ所へ向かっている
当てのない旅に出かけよう 行く先知れずの旅へ

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